* 教本より一部抜粋
身体の構造と働き
身体の構造
どの部分にどういう働きをする器官があるかを覚える事は基本中の基本です。
特に位置関係は覚えていないと危険な事を知らず知らずに行っている事も良くある事ですのでしっかり覚えておいて下さい。
人体は大きく、頭、頸、体幹(たいかん)(胸・腹・背・会陰(えいん))、体肢(たいし)(上肢・下肢)に区分されますが、体の主要器官の大半は体幹の中におさまっています。
前面からの臓器体幹の内腔(ないくう)胸腔(きょうくう)と腹腔(ふくこう)は横隔膜が境となり、胸腔内臓と腹腔内臓とに区分されています。
胸腔には左右の肺や心臓がおさまっており、その上部(胸郭上口)には食道や気管が通っています。
腹腔の上腹部には胃・十二指腸、肝臓・胆嚢(たんのう)、膵臓(すいぞう)・脾臓(ひぞう)がおさめられています。腎臓は腹腔の背面にあり、肺と同様左右一対、2個ある臓器です。
また、肝臓、膵臓、脾臓などは、その内部が特有の組織でつまっている状態となり、実質臓器(実質器官)といわれています。それに対して胃や小腸・大腸は内部が管腔になっており、中空器官といいます。そのうえ、胃や小腸・大腸はこの管腔内に食物を通すので消化管といわれています。
みぞおちの右は肝臓など、病気発見のためにも、これらの位置関係をよく知っておきましょう
第1章
ビタミン・ミネラルについて
ビタミンA
ビタミンAは、脂溶性ですから、水溶性ビタミンと比べると体内に留まる時間が長く、また目、口腔、消化器官、気管、皮膚などの内面をおおっている粘膜を作ったり、正常に働かせる作用をもっています。
ウナギ・レバー・卵・牛乳などに、多く含まれています。
また黄色い野菜、ニンジン、かぼちゃ、ほうれん草、春菊などには、体内に入るとビタミンAにかわるカロチンが含まれています。
これらは、油と一緒に食べるとよく吸収されますので、調理するとき油を一緒に使用するように心がけてください。なお、加熱料理の油はリノール酸などの酸化しやすい油を避け、キャノーラ油やオリーブ油などの、加熱によって酸化しにくい油を使いましょう。
ビタミンAといえば、過剰症が問題になりますが、通常の生活では過剰になることは、ありません。ビタミンA剤などを、意識的に大量に摂らないかぎり過剰症は生じません。ただタンパク質の摂取が少ない場合、数万国際単位(IU)ぐらいでなる方もいます。
これは、ビタミンAの界面活性作用で生じますが、タンパク質が豊富にあるとタンパク質と結びつき、ビタミンAの界面活性作用が消えて過剰症は起こりません。いろいろな点でタンパク質は、体重の千分の一ぐらいの量を毎日摂りたいものです。
通常1日に5万単位~30万単位のビタミンAを数ヶ月摂取すると過剰症になる人がいます。必須アミノ酸をバランス良く、充分に摂っていれば過剰症はないといっても言い過ぎではありません
カロチンには過剰症はなく、また抗活性酸素作用がありますので、緑黄色野菜(赤いトマトやピーマンにはリコピンというカロチノイドが、また、ブロッコリー、キャベツ、レタス、ホウレンソウ、クレソンにはルテインというカロチノイドが含まれています)などをたくさん食べましょう。カロチノイドは、カロチンとキサントフィルの総称で、赤・黄・オレンジから紫まであります。キクなどの花の色、ミカンや柿やカボチャなどの果肉の色、ニンジンも根の部分の色などは、カロチンの色です。イクラ、たらこ、バターなどの色は、キサントフィルの色です。
・・・・・・・・・・・・略・・・・・・・・・・・・
リンパ系とそのはたらきについて
ヒトの体の中には血管のほかにもリンパ管が全身に広がっています。
人の全身は、ほとんど水分に浸されています。その水分が栄養や免疫細胞を運び、不要になった老廃物を取り去ってくれます。
その水分の知識を勉強しましょう。
体液のところでリンパの勉強をしましたが、必要なところだけ少々復習と解説をいたします。
リンパ液の元は毛細血管から漏出した血漿が細胞間隙にて組織液となったものです。
血漿は静水圧によって毛細血管から押し出され、組織液に混じる。・・コラーゲンは水分を透過させます。これで栄養分が各細胞にいきわたります。
ほとんど(90%程度)の組織液は浸透圧によって血管内に戻るが、一部(10%程度)は細胞間に残り、組織液の量は次第に増加することになる。(逆に血漿は90%がリンパ管に入る)
その結果余剰が生じ、余剰部分はリンパ管の中に拡散し、リンパ系によって循環系に戻されることになる。(リンパに入るのは拡散と圧による特殊弁開閉がある)
静水圧と浸透圧と拡散について
静水圧・・・流れの圧力を考えない単純に水圧
生理学的な基本は:液体は薄い溶液から濃い溶液に浸透していき、溶けている物質は濃い方から薄い方へ拡散する・・・事にあり、自然の原理です。
毛細血管から滲み出す時には、その中に溶けている物質も分子の小さな物は一緒に出て行きます、ですから大きな蛋白質などの物質は毛細血管からは出ません。逆にリンパ管は細胞から出た大きな分子の廃物でも間質液と共に特殊弁を内側へ開放して流入します。その仕組みにより異物を拾い集め回収できるのです。